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東京サンロッカーズ vs 千葉ジェッツ:2試合で動かなかったリバウンドの差

2026-27チーム分析東京サンロッカーズ千葉ジェッツ

東京サンロッカーズと千葉ジェッツが、東京のホームで2日続けて対戦しました。9月25日は千葉が97-92で勝ち、翌26日は東京が95-79で勝っています。どちらのチームにとっても2026-27シーズンの初戦と2戦目です。

連戦で勝ち分けになること自体は、珍しくありません。手元にある直近2シーズン(2024-25・2025-26)の618連戦のうち、39.8%が1勝1敗で終わっています。2試合の点差が21点以上ぶれた連戦も23.8%あります。だからここでは「珍しい」という話はしません。

この記事が使うのはボックススコアです。2試合に共通して出ている差を探し、昨季までの2シーズンと突き合わせます。

先に結論

結論は3つあります。

1つ目。リバウンドの差は、2試合とも同じ向きでした。

9/25(東京の負け)9/26(東京の勝ち)リーグ平均
東京のオフェンスリバウンド率41.3%(上位8.6%)52.5%(上位0.5%)28.5%
千葉のディフェンスリバウンド率58.7%(下位8.6%)47.5%(下位0.5%)71.5%

オフェンスリバウンド率は、自分が外したシュートのうち何割を自分のチームが拾えたかです。勝敗は入れ替わったのに、この差だけは2試合とも東京に傾いていました。 1戦目の41.3%でさえ、直近2シーズンの3,074チーム試合のうち上位8.6%に入る値です。

2つ目。勝敗を入れ替えたのはフリースローでした。 1戦目の東京はフリースローを35本打って15本外し、5点差で負けています。15本以上外した試合は、2シーズン1,537試合を通じて4回(0.13%)しかありません。翌日は外した本数が8本に減り、16点差で勝ちました。リバウンドを取り続けていたチームが、1戦目はフリースローで勝ちを落としたという並びになります。

3つ目。このリバウンドの差は昨季から続いているものでした。 東京の新HCショーン・デニスが前年まで率いた名古屋ダイヤモンドドルフィンズは、オフェンスリバウンド率が2シーズン続けてリーグ2位です。千葉の被オフェンスリバウンドは、2シーズン続けて24位でした。勝敗を分けた場所に出ていたのは、新しい形ではなく続いている形です。

4つ目。昨季から変わったものが1つだけあります。1戦目のペースです。 千葉の攻撃回数は84.1回で、昨季の平均75.1回より9回多い試合でした。千葉の過去130試合で84回を超えたのは6試合(4.6%)だけです。コヴァーチHCが掲げた「リーグ最速」が数字に出たのはこの1試合で、千葉が勝ったのもこの試合でした。 2戦目は75.6回で昨季並みに戻り、16点差で負けています。

ただし、両HCが掲げたもう1つの柱である「奪う守備」は2戦とも昨季の範囲に収まっています。スティールは東京が7本と6本(昨季平均6.0本)、千葉が5本と2本(昨季平均5.6本)でした。

3Pはまったく動いていません

もう1つ、2試合で変わらなかったものがあります。

東京サンロッカーズ9/259/26
3P8/33(24.2%)8/34(23.5%)
2P24/46(52.2%)27/47(57.4%)
フリースロー20/35(57.1%)17/25(68.0%)

3Pは本数も成功率もほとんど同じです。東京は2日続けて、同じだけ3Pを外していました。 それでも2戦目に95点を取れたのは、外したシュートを自分たちで拾い直したからです。

1戦目:東京はフリースローで負けました

東京サンロッカーズ千葉ジェッツ
得点9297
2P24/46(52.2%)24/49(49.0%)
3P8/33(24.2%)10/29(34.5%)
フリースロー20/35(57.1%)19/23(82.6%)
リバウンド5048
アシスト2819
ターンオーバー911
ファウル1921

東京はフリースローを35本打って20本しか決めていません。15本外して、5点差で負けています。

15本以上外した試合は、直近2シーズンの1,537試合(1試合につき2チーム分なので3,074件)で4回しかありません。割合にすると0.13%です。今回が5例目で、過去4例の結果は2勝2敗でした。

翌日の東京はフリースローを17/25(68.0%)まで戻しています。外した本数は15本から8本に減りました。

ただし、内容で東京が勝っていたわけではありません

「フリースローで負けた」と書くと、それ以外は東京が上だったように読めます。1ポゼッションあたりの得点で並べると、そうではありません。

9/25東京サンロッカーズ千葉ジェッツ
攻撃回数84.484.1
1ポゼッションあたりの得点109.0115.3
FG試投+FT試投79+3578+23

東京はチャンスの量で上回り、決める部分で下回っていました。 リバウンドで攻撃を作り、ファウルをもらってフリースローを35本得たところまでは東京です。そこから先の3P 24.2%とフリースロー57.1%で、量の優位を使い切れませんでした。

フリースローを外したのは誰か

68.0%に戻した2戦目でも、リーグ平均(昨季73.1%)より低い数字です。チーム全体が苦手なのか、特定の選手なのかを分けます。

まず昨季です。サンロッカーズ渋谷のフリースロー成功率は77.7%で、29チーム中6位でした。 リーグ平均は73.1%なので、昨季は平均より上手いチームです。千葉は76.5%で9位でした。

次に、この2試合で打った選手を全員並べます。

選手9/259/26
ジョシュ・ホーキンソン6/77/9
ラウリー・アルキンズ2/75/6
ブライソン・ウィリアムズ7/121/3
ジャン・ローレンス・ハーパージュニア3/42/2
ドンテ・グランタム2/40/1
ベンドラメ礼生—2/2
狩野富成—0/2
田中大貴0/1—

1戦目の取りこぼしは2人に集中しています。 ブライソン・ウィリアムズとラウリー・アルキンズの2人で19本中9本(47.4%)です。この2人を除くと16本中11本(68.8%)で、極端な数字ではなくなります。

そしてこの2人は、今季の新加入でBリーグでの記録がありません。 2024-25と2025-26のデータベースを探しても出てこないので、フリースローが苦手な選手なのかどうかは判断できません。2試合しかない時点では、外れが続いただけとも言えます。

昨季から在籍している選手のほうは平常どおりです。ホーキンソンは昨季87.0%(168/193)で、この2試合は合計13/16(81.3%)でした。グランタムは昨季78.2%です。

つまり答えは、チーム全体が下手なわけでも、昨季から下手だったわけでもありません。1戦目に打数の多かった2人が外し、その2人には比べる過去がない、というところまでです。

2戦目:3Pは同じ、リバウンドが動いた

2戦目の基本スタッツです。

東京サンロッカーズ千葉ジェッツ
得点9579
2P27/47(57.4%)22/44(50.0%)
3P8/34(23.5%)8/26(30.8%)
フリースロー17/25(68.0%)11/15(73.3%)
リバウンド5037
オフェンスリバウンド2112
アシスト2618
ターンオーバー611
ファウル1921

東京のリバウンド総数は2日間とも50本で同じです。ところが千葉は48本から37本に減りました。減った11本の内訳を見ると、千葉のオフェンスリバウンドが15→12、ディフェンスリバウンドが27→19です。東京が攻撃を終わらせてもらえなかった分だけ、千葉の守備リバウンドが消えています。

1ポゼッションあたりの得点(オフェンシブレーティング)に直すと、東京は109.0から123.4に上がっています。計算に使ったポゼッションは「FG試投 + 0.44 × フリースロー試投 − オフェンスリバウンド + ターンオーバー」です。

ただしこの数字自体はそこまで特別ではありません。123.4以上は直近2シーズンで12.9%の試合が到達しています。特別なのはオフェンスリバウンド率のほうです。

リバウンドで勝ったと言えるのか

ここで2つの反論が立ちます。順に確かめます。

反論1:リバウンドの差が2試合とも東京に傾いていたなら、1戦目に千葉が勝ったことをリバウンドでは説明できないのでは。 そのとおりです。1戦目の東京は攻撃リバウンドを19本取り、回収率41.3%はリーグ上位8.6%の値でした。それでも負けています。だから「リバウンドを取れば勝つ」という話にはなりません。 1戦目の東京はフリースローを15本外していて、これが1,537試合で4回しかない水準の取りこぼしでした。リバウンドで作った分を、フリースローで返してしまった試合です。

反論2:2戦目に東京の2P成功率も52.2%から57.4%に上がっている。勝因はそちらではないのか。 ここは点数に換算して比べます。

  • 2P成功率の効果:2戦目の東京は2Pを47本打ちました。成功率が1戦目の52.2%のままなら24.5本で、実際の27本より2.4本少ない計算になります。得点にすると約4.9点です。
  • オフェンスリバウンドの効果:2戦目の東京が攻撃リバウンドを取れる機会は40回(自分の21本+千葉の守備19本)でした。回収率が1戦目の41.3%のままなら16.5本で、実際の21本より4.5本少なくなります。その分だけ攻撃回数が増えたと考えると、この試合の1ポゼッションあたり1.23点をかけて約5.5点です。

どちらも5点前後で、大きさはほぼ同じです。 点差は16点なので、この2つで10点強を説明できますが、リバウンドだけで勝ったわけではありません。

分かれるのは珍しさのほうです。2P成功率57.4%は、直近2シーズンの3,074チーム試合のうち30.4%が到達している値でした(リーグ平均53.1%)。3試合に1試合はある数字です。一方でオフェンスリバウンド率52.5%は0.52%、200試合に1試合です。

まとめると、リバウンドは2試合を通じて東京が握り続けていた土台で、勝敗そのものを動かしたのはフリースローでした。 この記事がリバウンドを追いかけるのは、勝因として最も大きいからではなく、2試合を通じてリーグの普通から最も離れていて、かつ昨季からつながっているからです。

第4クォーターに何が起きたか

3クォーター終了時点は66-61で、東京の5点リードでした。最終スコアは95-79なので、16点差は第4クォーターでついたことになります。

第4クォーターだけを切り出します。

第4Q東京サンロッカーズ千葉ジェッツ
得点2918
2P10/12(83.3%)5/9(55.6%)
3P1/91/3
フリースロー6/75/6
リバウンド142

千葉のリバウンドは2本です。直近2シーズンの第4クォーターでチームリバウンドが2本以下だったのは、3,074例中12回(0.39%)でした。第4クォーターのリバウンド平均は9.4本です。リバウンド差が-12以下だった例も16回(0.52%)しかありません。

東京の2P 10/12(83.3%)も、12本以上打って83%以上決めた例が470件中6件です。

千葉のクォーター別リバウンドは 12→16→7→2 と落ちています。第2クォーターには16本取っていました。

ここで1つ注意が必要です。相手がシュートを決めればリバウンドは発生しません。 第4クォーターの東京は2Pを12本中10本決めているので、千葉が守備リバウンドを取る機会はそもそも少なかったことになります。この第4クォーターで両チームが取ったリバウンドは合計16本で、そのうち千葉が2本、東京が14本でした。「取れなかった」と「取る場面がなかった」の両方が混ざった2本です。

なお、Bリーグのクォーター別データにはオフェンス/ディフェンスの内訳が入っていません。第4クォーターのどちらが何本だったかは、この記事では分けられません。

反対から見ると、千葉は崩れたのか

千葉側の数字を並べると、悪いのは事実ですが「崩れた」と呼ぶには足りません。

9/259/26
得点9779
FG試投7870
フリースロー試投2315
ターンオーバー1111
オフェンスリバウンド率38.5%33.3%

ターンオーバーは11本で変わっていません。オフェンスリバウンド率33.3%も、リーグのごく普通の水準です。はっきり減ったのはフリースローの試投で、23本から15本になりました。

ただしこれを「押し負けた」とは読みにくいです。エースのネイト・ウィリアムズが受けたファウルは6回から9回に増えています。チーム全体でフリースローに至る攻め方が減った、という読み方のほうが数字に合います。

千葉の得点源は2日間で入れ替わっています。

選手9/259/26
ネイト・ウィリアムズ27点(FG 10/19)28点(FG 9/15)
富樫勇樹25点(3P 5/8・FT 6/6)5点(FG 2/7)
渡邊雄太5点(FG 2/9)18点(FG 8/14)
ルーク・メイ18点19リバウンド8点9リバウンド

ネイト・ウィリアムズだけが2日続けて同じ働きをしています。

昨季と比べる:東京が拾ったのは、名古屋Dで見た形です

東京サンロッカーズは2026-27シーズンからクラブ名を変え、ヘッドコーチも交代しています。新HCのショーン・デニスは、前年まで名古屋ダイヤモンドドルフィンズを率いていました(経緯は東京サンロッカーズ2026-27を数字で分析にまとめてあります)。

オフェンスリバウンド率をシーズン単位で並べます。各チーム最初の60試合で集計しています。

オフェンスリバウンド率2024-252025-26
リーグ平均28.3%29.2%
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(デニスHC)33.7%(2位/24)35.1%(2位/26)
サンロッカーズ渋谷(現・東京サンロッカーズ)25.9%(19位/24)31.2%(8位/26)

デニスHCが指揮していた名古屋Dは、2シーズン続けてリーグ2位です。9月26日の東京の52.5%は、方向としてこの形と一致します。

ただし、この一致をもってデニスHCの戦術の成果だとは言えません。 前の記事でも書いたとおり、公開スタッツからは選手構成や対戦相手の影響を切り分けられません。ここで言えるのは、方向が一致しているという事実の確認までです。

そのうえで、1つだけ確かに変わったことがあります。昨季のサンロッカーズ渋谷でオフェンスリバウンドの中心にいたトーマス・ウェルシュは、今季のロスターにいません(2026年5月31日で契約満了)。それでも9月26日のオフェンスリバウンド21本は出ています。内訳はこうです。

選手オフェンスリバウンド
ジョシュ・ホーキンソン6
ラウリー・アルキンズ4
山﨑一渉3
その他8人8

21本のうち1人が取ったのは最多でも6本で、出場した11人のうち10人が1本以上取っています。中心選手が抜けたのにオフェンスリバウンドが減らず、取り手が散ったのが、この試合で見えたことです。ただしこれも1試合の内訳なので、今季そういう形で固まるのかは、まだ分かりません。

一方で、デニスHCが語っていた「フルコートでボールを奪う守備」のほうは、この2戦の数字には出ていません。

東京サンロッカーズ昨季(1試合平均)9/259/26
スティール6.0本(21位/26)7本6本
相手のターンオーバー率14.4%(20位/26)13.1%14.6%

どちらも昨季の値の周りに収まっています。増えたのはリバウンドのほうで、守備で奪う形は昨季から動いていません。

千葉の被オフェンスリバウンドは、2年続けてリーグ24位でした

東京が拾えた側だけを見ていると片面になります。千葉側の2シーズンはこうでした。

2024-252025-26
被オフェンスリバウンド(リーグ平均)9.4本9.6本
千葉ジェッツ10.8本(24位/24)10.7本(24位/26)
ディフェンスリバウンド率(リーグ平均)71.7%70.8%
千葉ジェッツ70.3%(19位/24)70.6%(14位/26)

千葉は2シーズン続けて、相手にオフェンスリバウンドを与えた本数が24位でした。2024-25はリーグ最下位、2025-26は26チーム中の24位です。ディフェンスリバウンド率でも両シーズンとも平均を下回っています。

これは千葉が弱いチームだったという話ではありません。千葉ジェッツ2026-27のスタイルを数字で分析で確認したとおり、昨季の千葉の守備はシュートを入れさせない守備が強みでした。相手のeFG%は2シーズンとも千葉がリーグでいちばん低く抑えています(この記事の集計では2024-25が47.7%、2025-26が48.3%でどちらも1位。前の記事は集計方法が違うため2位と書いています)。入れさせなければリバウンドは相手に渡りません。裏返すと、入れさせてしまったときの後処理は元から弱いままだった、という並びになります。

9月26日に東京が突いたのは、その2年続いている穴でした。狙って突いたのかどうかは、公開データからは判定できません。ただし突かれた場所が偶然の1試合ではなかったことは、この表から言えます。

コヴァーチHCの「最速」と「奪う守備」は、開幕2戦でどうだったか

千葉ジェッツも今季から新HCです。コヴァーチHCは「リーグ最速」と「アグレッシブなディフェンス」を掲げています。昨季との比較で見ると、この2連戦はきれいに分かれました。

まずペース(1試合あたりの攻撃回数)です。

千葉のペース
2025-26(1試合平均)74.8(15位/26)
9/25(千葉の勝ち)84.1
9/26(千葉の負け)75.6

1戦目は昨季の平均より9回多い試合でした。この日の東京も84.4回なので、速かったのは試合そのものです。参考までに、昨季のサンロッカーズ渋谷は72.8回(24位)でした。

84.1回がどのくらい速いかも確かめます。千葉の直近2シーズン130試合のうち、84.1回以上だったのは**6試合(4.6%)**でした。いちばん速い試合は90.3回です。リーグ全体で見ても3,074チーム試合の5.6%にあたります。前例のない速さではありませんが、千葉にとっては20試合に1回の速さです。

そして千葉が勝ったのはこの速い試合のほうでした。 2戦目は75.6回まで戻り、16点差で負けています。コヴァーチHCの言う速さが数字に出たのは1戦目だけです。

ただしここで1つ注意があります。ペースは両チームで共通の数字なので、どちらが速くしたのかはボックススコアでは分けられません。 千葉が押したのか、東京が走ったのか、この表からは判定できません。

次に「奪う守備」です。こちらは昨季からまだ動いていません。

シーズン単位(1試合平均・カッコ内は順位):

千葉ジェッツ2024-252025-26
スティール5.2本(23位/24)5.6本(25位/26)
相手のターンオーバー率13.5%(23位/24)13.8%(25位/26)

この2連戦(実数):

千葉ジェッツ9/259/26
スティール5本2本
東京のターンオーバー9本6本

スティールは2シーズン続けてリーグ下位で、開幕2戦もその範囲に収まっています。東京のターンオーバーは9本から6本に減りました。掲げているスタイルのうち、ペースは1戦目に出て、奪う守備は2戦とも出ていません。

2試合なので結論にはできません。ただし見どころの置き場所としては、「速さが出た日に勝った」という並びは覚えておく価値があります。

渡邊雄太の2日間は、役割が逆でした

この連戦でいちばん振れ幅が大きかったのは渡邊雄太です。

9/259/26
出場31分08秒29分46秒
得点5点(FG 2/9)18点(2P 6/8・3P 2/6)
ブロック51

1戦目の5ブロックは、記録として相当に珍しい数字です。直近2シーズンで「ある選手がある試合に出場した」記録は33,042件あります。そのうち5ブロック以上は**19件(0.058%)**しかありません。

ただし「ブロックを量産するのはゴール下の選手だけ」という話にはなりません。その19例のうち6例は、そのシーズンの3P試投率が44%以上だった選手です。渡邊の3P試投率は40.0%(2024-25)と43.9%(2025-26)なので、この6例と近い層に入ります。珍しいのは本数そのものであって、外から撃つ選手が5本止めたこと自体に前例がないわけではありません。

渡邊自身との比較で見ると、更新幅は大きいです。この2シーズンの103試合で最高は3本で、それも4試合だけでした。0本が57試合あります。

千葉のチームブロックはクォーター別に 0→1→4→3 で、後半に7本が集まっています。東京の得点は 30→22→19→21 と推移しました。ブロックが増えた時間帯に東京の得点が落ちているのは事実です。ただしブロック1本が何点を防いだかは記録から計算できないので、ここは「同じ方向に動いた」までにとどめます。

2戦目の渡邊はブロック1本で、代わりに2Pを8本中6本決めています。やっていることが2日で入れ替わりました。

ジョシュ・ホーキンソンの22点16リバウンド

2戦目の東京でオフェンスリバウンドを引っ張ったのはジョシュ・ホーキンソンです。32分で22点16リバウンド(オフェンス6本)、被ファウル10、プラスマイナスは+29でした。

直近2シーズンの122試合で、20点15リバウンドを同時に記録した試合は0回です。リバウンドの最多は17本でした。被ファウル10以上という数字も、2シーズン33,042件の出場記録のうち0.42%にあたります。

チーム21本のオフェンスリバウンドのうち6本が本人で、残りはラウリー・アルキンズ4本、山﨑一渉3本と散っています。1人で作った数字ではありません。

何が言えて、何が言えないか

言えることは3つです。

1つ目。リバウンドの差は2試合とも東京に傾いていました。 東京のオフェンスリバウンド率は41.3%と52.5%で、どちらもリーグ上位です。裏返しの千葉のディフェンスリバウンド率は58.7%と47.5%で、どちらも下位でした。勝敗が入れ替わってもこの差は動いていないので、「リバウンドを取れば勝つ」とは言えません。 勝敗を動かしたのはフリースローで、1戦目の東京は15本外して5点差で負けています。

2つ目。その差は、昨季までの2シーズンで両チームの特徴が出ていた場所と重なっています。 東京の新HCの前所属はオフェンスリバウンド率が2シーズン連続で2位、千葉の被オフェンスリバウンドは2シーズン連続で24位でした。2試合で見えたのは新しい形ではなく、続いている形です。

3つ目。昨季から変わったのはペースだけでした。 1戦目の千葉は84.1ポゼッションで、昨季の平均より9回多い試合です。これは千葉の直近130試合で上位5%に入る速さで、千葉が勝ったのもこの試合でした。 2戦目は75.6回に戻って16点差負けです。一方で両HCが掲げた「奪う守備」は、スティールが東京7本・6本(昨季6.0本)、千葉5本・2本(昨季5.6本)で2戦とも昨季の範囲でした。

言えないことを並べておきます。

  • 2試合だけの話です。 どちらもシーズン最初の2試合なので、両チームの今季の傾向はまだ何も分かりません。
  • 昨季の順位と一致したからといって、狙って突いたとは言えません。 相手の弱点を突く設計だったのか、たまたまそこに出たのかは、公開スタッツでは切り分けられません。
  • ヘッドコーチの交代がこの数字を生んだ、とも言えません。 選手構成も対戦相手も変わっています。方向が一致した、という事実の確認までです。
  • なぜオフェンスリバウンドが増えたのかは、この記事では分かりません。 スクリーンの位置や飛び込む人数といった話は、ボックススコアには入っていません。
  • 第4クォーターのリバウンドをオフェンス/ディフェンスに分けられません。 クォーター別データに内訳がないためです。
  • 比較に使ったのは2シーズン分だけです。 手元のデータベースが2024-25と2025-26しか持っていないので、「リーグ史上」のような言い方はできません。

データと計算式

  • 出典はBリーグ公式のボックススコアです(9月25日・9月26日)。
  • 比較に使ったのは2024-25(739試合)と2025-26(798試合)の全1,537試合です。「珍しさ」の分母は2種類あります。チーム単位の数字は1試合につき2チーム分を数えて3,074件、選手単位の数字は「その試合に出場した選手1人分」を1件として33,042件です(欠場した選手は除いています)。
  • シーズン単位の順位は、既存記事に合わせて各チーム最初の60試合で集計しています。母集団は2024-25が24チーム、2025-26が26チームです。
  • 東京サンロッカーズの記事はオフェンスリバウンドを1試合あたりの本数で扱っています。この記事は率なので、同じチームでも順位が違います。本数は何本取ったかを、率は拾える機会のうち何割を拾えたかを表します。
  • オフェンスリバウンド率 = 自チームのオフェンスリバウンド ÷(自チームのオフェンスリバウンド + 相手のディフェンスリバウンド)
  • ポゼッション = FG試投 + 0.44 × フリースロー試投 − オフェンスリバウンド + ターンオーバー
  • オフェンシブレーティング = 得点 ÷ ポゼッション × 100
  • オフェンスとディフェンスの内訳は選手ごとの記録を足して出しています。そのため内訳の合計は、チームのリバウンド総数より少なくなります。誰の記録にもならないチームリバウンドが、この連戦ではどちらの試合も千葉に6本ありました。ターンオーバーも同じ理由で、チームの記録のほうが選手の合計より多くなることがあります。