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東京サンロッカーズ2026-27を数字で分析:ショーン・デニスHCと「守備で加速」

2026-27チーム分析東京サンロッカーズ

サンロッカーズ渋谷は2026-27シーズンから東京サンロッカーズになりました。クラブ名・ロゴ・メインカラー(紫/ROCKER VIOLET)を刷新し、ホームタウンも渋谷区から江東区へ移しています(クラブ公式リリース)。ヘッドコーチも交代し、2026年5月21日に、前年まで名古屋ダイヤモンドドルフィンズを率いたショーン・デニスの就任が発表されました(クラブ公式リリース)。

この記事では、2024-25と2025-26の東京サンロッカーズを数字で比べたうえで、デニスHCが公の場で語ってきた内容と重ねます。OFFRTG・DEFRTG・NETRTG・PACEの意味はレーティングの解説記事にまとめてあるので、名前だけ見て中身が浮かばないときはそちらを先に読むと早いです。

集計はどちらのシーズンもレギュラーシーズン(各チームの最初の60試合)です。2024-25はB1の23チーム、2025-26はB.PREMIERの26チームを母集団にしています。なお、この記事のOFFRTG・DEFRTG・PACEはPulseketが(FG試投数 − オフェンスリバウンド + ターンオーバー + 0.44 × FT試投数)でポゼッションを数えた値です。B.LEAGUE公式サイトは別の数え方をしているため、同じ試合でも数値が違います(勝敗とNETRTGは一致します)。公式サイトにしかない項目を使うときは、そのつど出典を書き分けます。

先に結論

「デニスHCが来るから東京サンロッカーズは速くなる」という話には、たぶんなりません。東京サンロッカーズは去年すでに速くなっていて、速攻得点も大きく増えていたからです。それでも25勝35敗で、前年の30勝30敗から負け越しました。

面白いのは、増えた速さの出どころです。B.LEAGUE公式サイトの集計では、速攻得点が434点から725点へ約1.7倍に増えている一方で、ターンオーバーからの得点は765点から753点でほとんど動いていません。同じ期間にスティールは395本から362本へ減り、相手のミスを誘う率もリーグ6位から20位へ落ちています。つまり去年の東京サンロッカーズは、ボールを奪ったところから走っていたわけではありませんでした。

そしてデニスHCが語っているのは、まさにその「ボールを奪うところ」です。就任コメントでは守備がハイテンポな攻撃を生むという順序で話し、8月の初練習では日本ではフルコートでプレッシャーをかける守備が勝利につながると考えている、と説明しています。

だから今季の見どころは「もっと速くなるか」ではなく、速さの出どころが入れ替わるかになります。この記事ではその考え方を「守備で加速」と呼びますが、これはデニスHC本人の言葉ではありません。

すでに速くなっていた。それでも勝てなかった

まず2シーズンを並べます。

指標2024-252025-26
勝敗30勝30敗25勝35敗
OFFRTG103.8(13位/23)104.3(16位/26)
DEFRTG100.5(4位/23)109.5(20位/26)
NETRTG+3.3(10位/23)-5.2(17位/26)
PACE70.0(23位/23)73.5(24位/26)

OFFRTGはほぼ横ばい、PACEは3.5上がり、DEFRTGだけが9.0悪化しています。落ちたのは守備です。

ただしPACEの読み方には注意が必要です。3.5上がったのは事実ですが、リーグ平均も74.9から76.2へ動いています。東京サンロッカーズは23チーム中の最下位から、26チーム中の24位になっただけで、リーグの中ではいまも2番目に遅いチームです。「速くなった」は自分自身との比較であって、他チームに追いついたわけではありません。

PACE ― 1試合あたりの攻撃回数
遅い速い
リーグ平均
2025-26・各チームの最初の60試合。紫=東京サンロッカーズ(24位/26チーム)

増えた速さは、どこから来ていたのか

ここがこの記事でいちばん確かめたかった部分です。得点の内訳(速攻・ターンオーバーから・セカンドチャンス・ペイント内)はB.LEAGUE公式サイトの数字を使うので、この表だけ出典が変わります。どちらのシーズンも60試合なので、総数と1試合あたりの両方を並べます。

項目(B.LEAGUE公式サイトの集計・60試合)2024-252025-26
速攻得点434点(1試合7.2点)725点(1試合12.1点)
ターンオーバーからの得点765点(1試合12.8点)753点(1試合12.6点)
セカンドチャンス得点600点(1試合10.0点)804点(1試合13.4点)
ペイント内得点1,798点(1試合30.0点)1,884点(1試合31.4点)
スティール395本362本

速攻得点は約1.7倍になりました。一方でターンオーバーからの得点は横ばい、スティールはむしろ減っています。

では、走る回数が増えたのに、その燃料が相手のミスでないとしたら何なのか。守備リバウンドは1試合23.4本から23.2本でほとんど変わっていません。同じくらいの回数しかボールを取っていないのに、そこから走る場面を増やした、という形になります。

同じ表でもう1つ動いているのがセカンドチャンス得点で、600点から804点へ3割以上増えました。ペイント内得点が1,798点から1,884点とほぼ横ばいなのと対照的です。攻撃側で増えたのは、リングの近くを攻める回数ではなく、外れたシュートを拾って撃ち直す回数のほうでした。

Pulseketの集計でも、同じ方向がはっきり出ます。

指標2024-252025-26
オフェンスリバウンド8.4本(19位/23)10.6本(5位/26)
相手のミスを誘う率15.2%(6位/23)13.5%(20位/26)
スティール6.58本(12位/23)6.00本(21位/26)
自チームのターンオーバー10.3本(1位/23)11.9本(10位/26)

去年の東京サンロッカーズは、攻撃回数をリバウンドで増やし、守備でボールを奪う力は落としたチームでした。オフェンスリバウンドはリーグ19位から5位へ上がった一方で、相手のミスを誘う率は6位から20位、スティールは12位から21位に落ちています。

念のため書いておくと、オフェンスリバウンドが速攻得点を生んだ、という話ではありません。オフェンスリバウンドの次に来るのはふつう速攻ではなく、その場での二本目のシュートです。ここで言えるのは2つだけで、速さが増えた分はターンオーバー起点ではないことと、攻撃回数を押し上げたのはリバウンドだったこと。この2つが別々の事実として確認できます。

落ちたのは、外の守り

DEFRTGが9.0悪化した中身も見ておきます。

守備指標2024-252025-26
相手2P成功率50.4%(5位/23)52.9%(8位/26)
相手3P成功率33.9%(16位/23)36.3%(26位/26)
相手の3P試投数23.4本(1位/23)26.0本(3位/26)
被eFG%50.8%(10位/23)53.9%(19位/26)
被オフェンスリバウンド7.9本(2位/23)8.7本(4位/26)

リング近くの守りは落ちていません。相手2P成功率は50.4%から52.9%へ2.5ポイント上がりましたが、リーグ順位は5位から8位で上位に残っています。被オフェンスリバウンドも2位から4位です。

落ちたのは3Pラインの外です。相手3P成功率が33.9%から36.3%へ上がり、順位は16位から26チーム中26位、つまりリーグで最も3Pを決められたチームになりました。しかも相手に撃たせた3Pの本数は26.0本でリーグ3位に少ないままです。本数は抑えているのに、撃たれた3Pが入る。ここがDEFRTG悪化のいちばん大きな中身でした。

相手3P成功率 ― 守備で相手に決められた3Pの割合
決められない決められる
リーグ平均
2025-26・各チームの最初の60試合。紫=東京サンロッカーズ(26位/26チーム)

攻撃側も書いておくと、去年の東京サンロッカーズはeFG% 49.4%(24位)・2P成功率49.4%(25位)で、シュートの確率そのものはリーグ下位でした。OFFRTGが16位で踏みとどまったのは、オフェンスリバウンドで攻撃回数を稼いだからだと読めます。

デニスHCが語っていること

ここからは新ヘッドコーチの言葉です。公開されているものを2つ使います。

1つ目は、2026年5月21日の就任発表に載った本人のコメントです。英文ではこう書かれています。

We will aim to play a disruptive defence that helps ignite a high tempo offence.

クラブの公式日本語訳では「新シーズン私たちはハイテンポなオフェンスを牽引する、破壊力のあるディフェンスを目指していきます」となっています(東京サンロッカーズ公式、2026年5月21日)。

読むうえで大事なのは、ハイテンポなオフェンスをやる、とだけ言っているわけではない点です。英文の ignite(火をつける)が示しているのは順序で、守備が先にあって、そこから速い攻撃が始まる、という並びになっています。

2つ目は、2026年8月10日の初めての全体練習でのコメントです。クラブの連載「MOVE TOKYO ACTION」の18本目に載っています。デニスHCはその中で、

日本ではフルコートでプレッシャーをかけるディフェンスが勝利につながると考えており

と話しています(東京サンロッカーズ公式「MOVE TOKYO ACTION」ACTION 18、2026年8月10日)。同じ記事では、フルコートでの守備やペイントへのアタックができる選手を集めたこと、選手それぞれの強みを最大化したいことにも触れています。

同じ記事で、キャプテンのベンドラメ礼生も、今季はフルコートでプレッシャーをかけるディフェンスを軸に、ディフェンスから流れを生み出すバスケットボールを目指す、という趣旨を語っています。ヘッドコーチだけでなく、実際にボールに一番近いところで守る選手からも同じ方向の言葉が出ている、という点は押さえておきたいところです。

「守備で加速」という呼び方について

ここまでの2つの発言をひとまとめにするために、この記事では「守備で加速」という言い方をします。

これはデニスHC本人の言葉でも、クラブが掲げている戦術名でもありません。 disruptive defence、high tempo offence、フルコートでのプレッシャーという3つを、読みながら追いやすくするためにPulseketがこの記事の中だけで付けた呼び方です。今後クラブがこの言葉を使うわけでもありません。

指しているのは、速さそのものではなく速さの入口です。去年の東京サンロッカーズの速さの入口はリバウンドでした。デニスHCが話しているのは、入口を守備側に移すという内容です。

前任地・名古屋Dの数字

デニスHCは2025-26まで名古屋ダイヤモンドドルフィンズを率いていました。同じ集計方法で去年の2チームを並べます。

指標(2025-26・26チーム中)東京SR名古屋D
勝敗25勝35敗41勝19敗
PACE73.5(24位)78.6(3位)
DEFRTG109.5(20位)95.1(1位)
相手のミスを誘う率13.5%(20位)18.1%(2位)
スティール6.00本(21位)8.97本(2位)
相手3P成功率36.3%(26位)30.2%(1位)
オフェンスリバウンド10.6本(5位)13.1本(1位)
OFFRTG104.3(16位)105.6(15位)
eFG%49.4%(24位)49.4%(24位)

B.LEAGUE公式サイトの集計では、名古屋Dの2025-26は速攻得点916点(1試合15.3点)、ターンオーバーからの得点1,148点(1試合19.1点)でした。東京サンロッカーズの725点・753点と比べると、速攻もターンオーバー起点も大きく上回っています。

言えるのはここまでです。デニスHCが語ってきた内容と、彼が指揮した2025-26名古屋Dの数字には整合する部分がある、という事実の確認までで、この数字がデニスHCの戦術によって生じたとは公開スタッツからは言えません。守備のうまい選手が揃っていた可能性も、対戦相手の巡り合わせも、公開されている数字だけでは切り分けられないからです。

もう1つ、この表で見落とせないのは下2行です。名古屋DのOFFRTGは15位、eFG%は24位で、東京サンロッカーズとほとんど同じでした。シュートがよく入るチームだったから勝ったのではなく、守備とリバウンドで攻撃回数を積み上げて41勝したチームです。「名古屋Dのような攻撃になる」という期待の仕方をすると、たぶん見るところがずれます。

重ならないところ、まだ分からないところ

都合のいい話だけにならないよう、確認できていないことを並べます。

フルコートプレッシャーをどれだけ使うかは分かりません。 デニスHCは日本ではそれが勝利につながると考えている、と話していますが、全試合の全時間帯でやるのか、特定の場面で使うのかまでは公開されていません。

スティールや相手のミスを誘う率が上がるとは限りません。 前に出て守るチームがボールをたくさん奪うとは限らず、ファウルが増えたり、抜かれた後の失点が増えたりする形もあり得ます。方向が語られていることと、数字が動くことは別です。

PACEがさらに上がるとも限りません。 去年の東京サンロッカーズはリーグで2番目に遅いチームでした。仮に守備でボールを奪う回数が増えても、そのぶん攻撃回数が増えるかどうかは、シュートを撃つまでの時間や選手の入れ替えにもよります。

去年いちばん落ちた相手3P成功率が戻るかは、まったく別の問題です。 フルコートでプレッシャーをかける守備は、ボールを運ばせないことを狙う守り方で、外のシューターへの受け渡しが良くなることを直接意味しません。前に人を出せば、後ろが薄くなる形もあります。ここは重ならない部分として置いておきます。

名古屋Dとの差にはロスターの差があります。 選手が違えば同じ守り方をしても同じ数字にはなりません。

リーグ環境も変わります。 2024-25はB1の23チーム、2025-26はB.PREMIERの26チームで、2026-27も母集団は26チームです。2024-25と2025-26の順位を直接比べるときは、この違いが入っていることを頭に置いてください。

ロスター ― 去年の速さを支えた選手が抜けた

2026-27の登録は13人です(クラブ公式のチームページ)。得点の多さではなく、役割で見ていきます。

まず、去年の攻撃回数を作っていた選手が抜けました。 トーマス・ウェルシュが2026年5月31日で契約満了となっています(クラブ公式リリース)。ウェルシュは51試合で1試合8.1リバウンドとチーム最多でしたが、注目したいのはオフェンスリバウンドのほうです。シーズン通算171本、36分あたり5.7本で、これはチーム2位のドンテ・グランタム(2.7本)の2倍以上でした。前の章で見た「オフェンスリバウンド19位→5位」の中心にいた選手です。

トーマス・ウェルシュ
通算171本・退団
5.7本
ドンテ・グランタム
通算123本・残留
2.7本
アンドリュー・ランダル
通算28本・退団
2.4本
ジョシュ・ホーキンソン
通算110本・残留
2.2本
ディディ・ロウザダ
通算31本・退団
1.7本
トロイ・マーフィーJr.
通算26本・退団
1.3本
2025-26・36分あたりオフェンスリバウンド数(1試合平均15分以上の選手)。赤=退団

去年の東京サンロッカーズは、シュートの確率がリーグ下位(eFG% 24位)でも、二本目・三本目を撃つことでOFFRTGを保っていました。その最大の担い手がいなくなった状態で新シーズンに入ります。ここが埋まらないまま、かつ守備でボールも奪えないままだと、攻撃回数そのものが減ります。

インサイドには2人が入ります。 ジョシュ・ホーキンソン(60試合15.8得点7.4リバウンド・3P成功率39.8%)とドンテ・グランタム(59試合13.3得点7.0リバウンド)は残留です。加えて6月30日にブライソン・ウィリアムズ(PF/C・203cm)の加入が発表されました。イタリア1部のウナホテルズ・レッジョエミリア出身で、クラブは得点力とリバウンド、確率の高い3Pを併せ持つ万能型フォワードとして紹介しています(クラブ公式リリース)。ヨーロッパでの数字はB.PREMIERの数字ではないので、リバウンドがどれだけ戻るかは開幕後に見るしかありません。

ウイングには2人が入りました。 8月12日にラウリー・アルキンズ(SG/SF・196cm)の加入が発表されています。2025-26は熊本ヴォルターズで26試合1試合19.5得点でした。クラブはフィジカルを生かしたアタック、トランジション、クラッチでの得点力を特徴として挙げています(クラブ公式リリース)。ただしこれはB2での数字なので、B.PREMIERで同じ数字になるとは考えないほうがいいです。

もう1人が山﨑一渉(SF/PF・201cm)で、2026年1月のB.LEAGUEドラフトで史上初の1巡目全体1位指名を受け、5月7日に契約合意が発表されました(クラブ公式リリース)。ノーザンコロラド大からの入団で、B.PREMIERでの出場はこれからです。

ガードは3人体制になります。 残留はベンドラメ礼生(60試合8.2得点3.0アシスト)とジャン・ローレンス・ハーパージュニア(57試合6.7得点4.0アシスト)、大庭圭太郎。ここに6月8日、岩手ビッグブルズから山際爽吾(PG・180cm)が加わりました。2025-26はB2で1試合11.0得点5.3アシスト、アシストはB2リーグ4位です(クラブ公式リリース)。こちらもB2の数字なので、そのまま持ち込めるとは扱えません。

ボールにプレッシャーをかける役という観点で去年の数字を見ると、36分あたりのスティールはハーパージュニアが1.80本でチーム最多、ベンドラメが1.43本、田中大貴が1.39本、野﨑零也が1.36本でした。ガード陣に人数がいること自体は事実として確認できます。ただし、フルコートで守るときに誰がどこに立つのかは公開情報からは分かりません。

なお、8月12日にはマーカス・ジョージズ=ハントとの契約解除も発表されています。オフに手術を受けた既往のけがからの回復について選手・クラブ間で話し合った結果、合意のうえで契約を終了したという内容です(クラブ公式リリース)。

気になるのは、去年いちばん決められた3Pの守り方をどう変えるかです。 抜けたのはインサイドとウイングが中心で、外の守りを直接担う顔ぶれが大きく入れ替わったわけではありません。相手3P成功率26位という数字が、選手の入れ替えで自動的に良くなる形にはなっていない、と読めます。

開幕したら見たい数字

「守備で加速」が起きたかどうかを確かめるなら、単独の数字ではなく組み合わせで見るのが確実です。カッコ内は2025-26の値と26チーム中の順位です。

オフェンスリバウンド
10.6本・最大の担い手が退団
リーグ5位
被オフェンスリバウンド
8.7本・前季2位から微減
リーグ4位
DEFRTG
109.5・前季4位から下降
リーグ20位
相手のミスを誘う率
13.5%・前季6位から下降
リーグ20位
スティール
6.00本
リーグ21位
相手3P成功率
36.3%・リーグ最下位
リーグ26位
2025-26・東京サンロッカーズの関連指標のリーグ内順位(26チーム中)。バーが長いほど上位

相手のミスを誘う率(13.5%・20位)とスティール(6.00本・21位)。 デニスHCとベンドラメが語っているフルコートでのプレッシャーが形になるなら、まずここが上がるはずの場所です。ここが動かないままなら、守備の中身は別の方向に変わったことになります。

ターンオーバーからの得点と速攻得点の組み合わせ。 ここがこの記事の本題です。速攻得点だけが増えても、去年の繰り返しになります。ターンオーバーからの得点と速攻得点が一緒に増えたときに初めて、速さの入口が変わったと言えます。この2つはB.LEAGUE公式サイトのチームページで見られます。

相手3P成功率(36.3%・26位)。 去年DEFRTGを最も押し下げた項目です。守り方が変わっても、ここが戻らなければDEFRTGは戻りません。逆にここだけが戻ってDEFRTGが良くなったのなら、理由は「守備で加速」とは別のところにあります。

オフェンスリバウンド(10.6本・5位)。 去年の攻撃を支えていた部分で、その中心にいた選手が抜けました。ここが落ちたぶんを、守備からの速い攻撃で取り返せるかどうかが今季の攻撃側の焦点になります。

DEFRTG(109.5・20位)。 上の結果として出てくる数字です。2024-25の100.5(4位)にどこまで近づくかで、守備が戻ったかどうかが分かります。

これらが動いたとしても、原因がデニスHCの守り方なのか、選手が替わったからなのか、B.PREMIERで対戦相手の顔ぶれが変わったからなのかは、数字だけでは切り分けられません。それでも変化が起きたかどうかは、この組み合わせを見れば分かります。いずれも東京サンロッカーズのチームページリーグのチームランキングで、シーズン中に更新されていく数字です。

まとめ

  • 2025-26の東京サンロッカーズはPACEを70.0から73.5へ上げ、速攻得点も1試合7.2点から12.1点(B.LEAGUE公式サイトの集計)へ増やしました。それでも30勝30敗から25勝35敗になっています
  • 増えた速さはボールを奪ったところから来ていません。ターンオーバーからの得点は765点から753点で横ばい、スティールは395本から362本へ減り、相手のミスを誘う率は6位から20位に落ちました
  • 攻撃回数を押し上げたのはオフェンスリバウンドで、19位から5位へ上がっています。その最大の担い手だったトーマス・ウェルシュは契約満了で退団しました
  • DEFRTGの悪化(100.5→109.5)は外の守りに集中しています。相手2P成功率は5位→8位で上位のままですが、相手3P成功率は16位から26チーム中26位まで落ちました
  • デニスHCは守備がハイテンポな攻撃に火をつけるという順序で語り、日本ではフルコートでプレッシャーをかける守備が勝利につながると考えていると話しています。その方向は、去年いちばん落ちた「ボールを奪う」部分と重なります
  • ただし相手3P成功率が戻るかどうかは、この発言とは重なりません。フルコートで前から守ることと、外のシューターを抑えることは別の話です
  • 昨季の東京サンロッカーズに足りなかったのは速さそのものだったのか、それとも守備から始まる速さだったのか。ターンオーバーからの得点と速攻得点が一緒に増えるかどうかで、開幕後に確かめられます